平日の朝は、5時20分頃から、ゆっくりと5キロほどジョギングします。
今朝も冷え込みましたが、11月も終わろうとしているのに里では
雪がまだ積もりません。
珍しいです(週末は雪の予報ですが・・・・)。
真っ暗な時間帯に走り始め、ジョグが終わる頃に空が白み始めます。
晩秋から冬にかけての景色と遠くに見える街灯、
藍色の空に輝く星(明けの明星かな?)、
遠い山の稜線から少しずつオレンジに輝き始めた空を見て走りながら、
村上春樹の小説『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の
【世界の終り】の物語の荒涼とした風景を思い出しました。
Amazonの解説より
高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。
Amazonの解説より
〈私〉の意識の核に思考回路を組み込んだ老博士と再会した〈私〉は、回路の秘密を聞いて愕然とする。私の知らない内に世界は始まり、知らない内に終わろうとしているのだ。残された時間はわずか。〈私〉の行く先は永遠の生か、それとも死か? そして又、〔世界の終り〕の街から〈僕〉は脱出できるのか? 同時進行する二つの物語を結ぶ、意外な結末。村上春樹のメッセージが、君に届くか!?
村上春樹の本を読み始めたのは、40歳頃のことです。
この本も、当時住んでいた街の図書館から借りた村上春樹全集の中の物語です。
文庫本だと2冊の分量のようです。
この物語は、解説にもあるとおり【世界の終り】と【ハードボイルド・ワンダーランド】
を行ったり来たりしながら物語が進みます。【閉ざされて、寂寥とした雰囲気の世界の終り】と、出だしから【目まぐるしく激しい展開のハードボイルド・ワンダーランド】。
読み始めた時は、この二つの物語の関連性が全く分からず、
行き先の分からない列車に乗せられているような感じでした。
でも、『意識の核に思考回路を組み込まれた〈私〉』からは、
『高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、
そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉』からは、
今までのどの物語で見たこともないような景色や場面を想像しながら
読み進めました。
二つの物語はラストに向かって少しずつ歩み寄っていきます。
とても印象的な手法だと思いました。
後半の方は、夢中になって読んだ記憶があります。
ラストもこの物語のラストに相応しい終り方で、しばらく余韻に浸っていました。