降誕祭の夜

汝の敵を愛せよ

ノルウェイの森  村上春樹(著)

とても有名な村上春樹なのに、彼の小説を読んだのは40歳前後の頃です。時代小説にすっかりハマっていて、司馬遼太郎を中心に読んでいました。

それに、ベストセラーになったこの小説の売り出し方が、華やかすぎてて、「流行りのものからは距離を置く」という天邪鬼の性格のせいか、村上春樹の小説は、なんとなく避けていました。

 

でも、食わず嫌いはダメだよなぁと、思い、近くの図書館で、司馬遼太郎の「翔ぶが如く」を読み終わったあたりに、村上春樹のこの小説が載っている全巻集の中の一冊を借りました。

ノルウェイの森 (講談社文庫)

ビートルズの「ノルウェーの森」が冒頭で印象的につかわれ、そこから主人公の回想が始まります。

あっという間に物語の世界に引き込まれていきました。主人公の周りの女性からは生と死について考えされらましたし、相手を想うことや生きていくために超えなければいけない「壁」のようなものがあるということもなんとなく感じました。

 

通底しているのは死というか喪失されたものなのですが、そこから再生するというか悩みながらも主人公が少しずつ成長していく物語だと思って読み終えた記憶があります。

 


映画 ノルウェイの森 予告

読んでいて、夏の煌めくような緑の描写も良いのですが、やはり真っ白な冬の景色の情景がとても印象に残っています。

映画も見ました。原作のイメージ大切にしている感じが伝わってきました。あまり期待していなかったけど、よかったです。