初めて読んだ司馬遼太郎の小説は、高校時代の「項羽と劉邦」でした。世界史での古代中国史、そして漢文で習った「四面楚歌」の学習を経て、出会った本だったと記憶しています。
でも、今日は、「竜馬がゆく」の感想です。本当に痛快な小説でした。幕末で新選組も出てくるので、血生臭いシーンもあるのですが、全8巻を一気に読み終えました。そもそも、この小説を読もうと思ったのは、就職が決まって次の日が初出勤日。気持ちが昂り眠れなかった時に真田広之が坂本龍馬役で出演していた時代劇を見たことがきっかけです。「明日から、必死で頑張ろう!」と思いながら眠りにつきました!
でも、この小説を読むのは、その初出勤日から5年くらいしてからのことです。
幕末を経て明治維新のあたりの日本史は、とても複雑で分かりにくいのですが、坂本竜馬の視点で書かれたこの小説のおかげで幕末に起きた蛤御門の変、薩長同盟、大政奉還などのできごとや小学生の時に伝記で読んだ「勝海舟」などの人物についても知ることができました。
この小説の主人公は坂本竜馬ですので、竜馬のような生き方に憧れて読み進めることができました。物凄いバイタリティーで圧倒されます。本当の英雄は生き残らないのだな、ということも感じながら読みました。周囲の人物に影響を与えるだけでなく物事の本質を知り、悟った人間は、若くして死ぬのかなとも。きっと妬まれるのでしょうか。人間だけでなく時代にも。
竜馬が暗殺されなかっら日本史はまた違った方向に進んでいったのかもしれませんが、この物語の中の坂本竜馬は颯爽として、粋で、でも、どこか抜けているところがあって、憎めないです。おまけに剣の達人ですから。自分の信念と命を賭けるべきことを理解して突き進んでいたので、とても眩しいです。
20代が終わる頃、初めて読みました。そして10年くらい前に再読しました。今、読むと、もっとその生き様に憧れるんだろうなぁと思いながら感想を書いています。
私が買った装丁とは違います・・・・・。