お盆休みのうちに読もうと思って買っていた本の2冊目です。
本の裏表紙より
鎌倉幕府から弾圧を受けながら、真の仏の道を求めた浄土真宗の開祖・親鸞。その教えを弟子の唯円が「正しく伝えたい」と願って書き残し、時代を超えて読み継がれたのが『歎異抄』である。
本書は、親鸞の生涯に作家として正面から向き合い、三部作の大長編に挑んできた著者が、自らの心で深く受け止めた『歎異抄』を、滋味あふれる平易な文体で現代語訳した名著。ベストセラー、待望の文庫化!
前書きより
『私訳 歎異抄』とは、私はこう感じ、このように理解し、こう考えた、という主観的な現代語訳である。そんな読み方自体が、この本の著者、唯円が歎く親鸞思想からの逸脱かもしれない。そのことを十分、承知の上で、あえて「私」にこだわったのだ。
構成としては
となっています。以前、『イエスと親鸞』を読んだときに著者が歎異抄についても詳しく書いていたので、訳されたものを全文読んでみたいと思っていたのが購入のきっかけです。
この本でも【親鸞の教えと歎異抄】について詳しく解説されていました。
『イエスと親鸞』の著者の解説と『私訳 歎異抄』の訳の雰囲気は、ほんの少しニュアンスが違う感じがします。
書かれている内容は同じだと思いますが、『イエスと親鸞』の著者は、念仏を唱えるまでの心のありようをより掘り下げていたような気がします。
『私訳 歎異抄』の方は、【他力】のところをより強調して訳したような感じがします。
次に【解説】を読みました。親鸞の生きていた時代のことが詳しく書かれていました。
平安末期から鎌倉時代にかけての宗教史が理解できました。
最後に【原典】を読みました。古文ですよね。言葉の迫力が違います。
不勉強なので、スッと内容は理解できないのですが、原典に触れることができたのでよかったです。時々、原典と私訳を対比しながら読むと、また、新しい発見がありそうな気がします。
声に出して読むと、また味わい深い感じです。
著者の若い頃の作品である『青春の門』『四季・奈津子』は、映画化になったことは知っていますが、映画も本も読んだことがありません。
『親鸞』の著作があるようなので、いつか読んでみたいと思っています。