降誕祭の夜

汝の敵を愛せよ

マディソン郡の橋   ロバート・ジェームズ ウォラー (著) 村松 潔 (翻訳)

1997/9/10 に第1刷とのことです。

平成9年です。働き始めて、結婚もして、家庭も持ち、

二人の子供も順調に成長して…

 

ベストセラーになり映画も大ヒットしたと記憶がありますが、

『不倫が題材の物語はなぁ・・。』と先入観もあり、

当時は、本も読まず映画も見ずでした。

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裏表紙より

屋根付きの橋を撮るため、アイオワ州の片田舎を訪れた写真家ロバート・キンケイドは、農家の主婦フランチェスカと出会う。漂泊の男と定住する女との4日間だけの恋。時間にしばられ、逆に時間を超えて成就した奇蹟的な愛―じわじわと感動の輪を広げ、シンプルで純粋、涙なくしては読めないと絶賛された不朽のベストセラー

恋愛を題材にした本やドラマ、映画は基本的には嫌いではないです。

昨年の1月に『マチネの終わりに』の小説を読み、映画も観た時に、

この小説のことがふと頭に浮かびました『どんな物語なのかなぁ』って。

 

夏の終わり頃に買って読みました。

一気に物語の世界に引き込まれました。

 

キンケイドの年齢は50代前半で自分の年齢にやや近いこと。

『4日間だけの恋』ですが、恋に落ちるまでの二人の心理描写や

行動がとても細やかに描かれていて、男性の心理は頷きながら読みました。

そして、女性が男性に求めているものや恋愛観については

フランチェスカの言葉や行動から理解することができました。

 

フランチェスカが家庭を守ることとキンケイドを愛することは

矛盾しているように見えます。

キンケイドが人妻であるフランチェスカを愛したことは、

許されないことのように思えます。

 

でも、読後の感想は『純愛』でした。

ふたりは、その4日間の後、それぞれの居場所で相手のことを想いながら

その後の人生を歩んでいきます。

 

初めて二人が結ばれた後、キンケイドがフランチェスカに言います。

「わたしがいま、この惑星にいるのは、このためだったんだ、フランチェスカ。旅をするためでも、写真を撮るためでもない。あなたを愛するためだったんだ。いま、わたしにはそれがわかる。わたしはこの人生に生まれるずっと前に、はるか昔に、どこかとても高い場所の縁から落ちた。そして、そこからずっと長い間、あなたに向かって落ちていたんだ。」

恋に落ちるのは、一瞬です。

 

映画見たくなってしまいました。