降誕祭の夜

汝の敵を愛せよ

乙女の祈り  Op.4 変ホ長調

私が、25歳の時に初めての発表会で弾いた曲です。

 

乙女の祈り」は、ポーランド人の女性音楽家バダジェフスカが作曲した曲です。結構有名で、よく耳にする曲です。調べてみると、「乙女の祈りは、彼女が22歳の時に発表した曲で、実は聖母マリアの物語を描いた宗教的な音楽」なそうです。

そして、彼女の写真や肖像画は残っていないそうです。

 

就職が決まり、仕事にも慣れた頃、ピアノを再開しました。職場の近くにピアノ教室があったことがきっかけです。ピアノを習うかどうかは決めていませんでしたが、ピアノを置けるアパートを最初から借りていました。よかったです。

 

とてもよい先生に出会い、レッスンは30分なのにいつも35分から40分くらいみてくださいました。その先生には基礎をみっちり教えていただいた記憶があります。

最初はハノンをやります。ゆっくりなテンポからかなり速いテンポまで。右手と左手がしっかり揃うことや拍の頭を揃えること、そしてリズム練習などをやります。次に、高校の時に途中で終わっていたツェルニー100番練習曲を数曲して終えてから同じくツェルニーの小さなピアニストをしました。 この曲集は必ずリピートをして間違えずに弾けるようになるまでみてもらいました。レッスンのメニュー3つ目はブルグミュラー25の練習曲です。この曲集は、その職場に4年間勤務している間に全曲終えました。最後はソナチネアルバムです。高校生の時までに4〜5曲くらい取り組んでいたので、その続きをしました。

 

今から考えると、すごい内容です。仕事もしているので練習に使える時間は30分から1時間ほどでした。

 

習った時から「ピアノの発表会出てみない?」と言われていたのですが、恥ずかしいのでと断っていました。

 

しかし、習い始めて2年目に「絶対いい経験になるし、技術もアップしますよ。頑張ってみませんか?」と励まされ、発表会に出ることになりました。そのとき、先生が選んでくださった曲が「乙女の祈り」です。

 

俺、男なのに・・・・。なんでこの曲を勧められたのかはよく分かりません。

右手と左手のオクターブの華やかなユニゾンから始まります。そして有名な主題へとつながり、細かい音符のパッセージのところに続きます。そして右手が低音のメロディを歌い、左手が交差して高音の和音を奏でます。そして、また、最初の華やかな細かい音符のバリエーションになり、最後のコーダへと続きます。

 

なんと言っても左手の伴奏に右手の細かい音符を入れるのがものすごく難しかったです。

「細かいところは、最後の高い音をしっかり鳴らすことを心がけて」とアドバイスをされました。「本番は緊張するから、楽譜見る余裕ないと思うから暗譜してね。」と、3〜4ヶ月くらいで本番を迎えた記憶があります。

 

かわいいドレスを着た小さな女の子や半ズボンにワイシャツを着た男の子、それに制服を着た高校生や中学生の女の子に混じって、社会人の大人は私だけでした。

 

本番は、若かったのだと思います。思ったより緊張しませんでした。集中して最後まで弾けました。間違えずに弾けてほっとしたことを思い出しています。

 

この曲も、レッスンを再開した時にみてもらいました。細かいパッセージのところを拍に合わせてきちんと弾くために、細かい音符をブロックで分けて丁寧に音をとるとよいこと、最初のユニゾン部分の装飾音符の弾き方、などまた違った視点で教えていただきました。

 

可憐で華やな曲です。今回この曲のことを調べて【聖母マリアの物語を描いた宗教的な音楽】と知り、ただ華やかなだけでなく、この曲に込められた物語のようなものを感じながら弾ければいいなぁ、なんて思いました。