降誕祭の夜

汝の敵を愛せよ

月の光 ドビュッシー


ドビュッシーときくと真っ先に頭に浮かぶ曲です。冒頭の部分は特に。

『ベルガマスク組曲』の第3番目の曲なそうですが、他の曲はきちんと聴いた事がないです。

 

f:id:ganju39:20170806202217j:plain

いつかの月

昨年の発表会を終え、レッスンでは様々な曲を見ていただきました。

基本的に私のやりたい曲を教えていただくのですが、時々、先生からのお勧めもあります。シューベルト即興曲にも取り組みました。ショパンポロネーズ1番にも。どちらも、初めて耳にする曲でしたので、新鮮でした。

10月初旬、2月の発表会で何を弾くか話題になって、これから発表会まで5ヶ月あるので、今までやった曲だと飽きてしまうのでは?と先生に言われて、曲を選ぶことになりました。

 

その中でドビュッシーを紹介されたので、月の光やアラベスクを聴いてみて、「どちらが難しいですか?私の印象ではゆったりしていますが、月の光の方が難しく感じます。」と話しました。先生からもアラベスクの方が取り組みやすいようなことを言われました。

1週間ほど、CDやYouTubeで聴き比べをして【月の光】の世界に魅かれました。次の週のレッスンから挑戦が始まりました(→1月の時点で仕上がらない時は、ショパンポロネーズ1番を保険にしましょう!と)。

 

ドビュッシーピアノ曲集(2)

 

ゆったりしているのですが、指遣いや和音の響きが独特で聴いている印象より難しかったです。指遣いがなかなか馴染みませんでした。あと、ホールにきれいに響かせるためのペダルの使い方なども結構デリケートで、踏み変えるタイミングを覚えるのも難しかったです。ソフトペダルを使うところも多かったのですが、使うと使わないとでは曲のニュアンスがすっかり変わるのでしっかりと楽譜に書き込みました(今年も楽譜を見ながらの演奏です!)。

 

あとは、8分の9拍子に慣れるのに苦労しました。最初は八分音符で細かく丁寧に音をとり、それから一拍で大きく取るようにとアドバイスをしていただきました。

 

中間部のテンポが速くなるところの左手の細かい動きが技術的に一番難しいところでした。他にも弾きにくいところはたくさんありましたが、焦らずにゆっくり練習するように心がけました。

一日4小節ずつ、次のレッスンまで1ページ!みたいな感じです。

 

譜読みはなんとか、12月末には終えて保険の曲でなく、『月の光』で発表会行けそうな感じになってきました。

 

正月休みは、午前中に1時間、余裕がある時は、午後に1時間弾き込みました。

 

正月明けからのレッスンでは、曲全体の構成を掴むことと、技術的にはタッチというか手首の使い方で音の響きが変わることや難しいところを弾きこなすためのリズム練習など、丁寧に教えていただきました。

 

この曲の大変なところは、6ページもあるのに繰り返しがないところです。ニュアンスがどんどん変わっていきます。最後のところで冒頭の主題が出てきますが、ここも、最初とは違い左手は分散和音になったり、和音の音が増えたりとで最後まで泣かされます。自分の中では、冒頭の1ページと最後の主題が出てきて曲の最後までのところを丁寧に柔らかい音色で響かせることが1番の目標でした。

 

いよいよ当日。午前中のリハーサルでは、まずまずでしたが、本番はやはり緊張しました。ミスタッチもありましたし、音が抜けたところもありました。

でも、この曲の神秘的で優しい雰囲気を伝えたいという気持ちで最後まで止まらずに弾く事ができました。

最初と最後のところはホールに響いているピアノの音色に耳を澄ませて弾くことを心がけました。

f:id:ganju39:20130528180310j:plain

今年はスタンウェイのピアノでした!

相変わらずの最年長でしたが、写真撮影が終わった後に、何人かの方に声をかけて頂いたことも嬉しかったです。

 

来年は何を弾こうかなぁ。と考えている時が一番幸せな時かもしれません。

『月の光』に挑戦して本当によかったです。