サブタイトルの『遷ろうメタファー』は、なんのことだろう?と思いました。
【遷ろう】は、うつろう、と読み『場所をかえること、よそへ移っていくこと』という意味の様です。
【メタファー】とは『隠喩』『暗喩』ともいうそうです。調べてみるといろんなパターンがあり、奥深い意味を持つ言葉・概念のようです。
第3巻を読み終え話ました。1巻2巻で登場してきた人物やイデアに加え、さらに物語が急展開します。
「屋根裏に隠された絵」「私の描いた絵(多分3枚かな?)」四枚の絵が何かを語ります。主人公は、離婚をきっかけに住む場所が変わり生活も大きく変わっていきます。そして、その中で自分の描きたいものを絵に表していきます(3巻でも)。
主人公が絵を描く場面の心の動きや創作に向かうときの気持ちの高まり、絵を描くために使われる道具、そして、作業の進め方が伝わってくる描写も、ものすごく丁寧です。絵が描けない私も実際に絵を描いているつもりになって読んでいます。
この物語の主人公のように、あまり歓迎したくない大きな出来事が、突然自分の身に降りかかると、それを境に自分の意に相反して境遇がすっかり変わってしまいます。住む場所であったり、仕事の環境であったりと。
自分を取り戻すきっかけになるのが、この物語の主人公の場合は絵で、私の場合は音楽特にピアノとの接し方です。人にはその人のパーソナリティというか人格を作る根っこになるものがあるという部分もとても共感できます。
さて、第3巻にも様々なメタファーが散りばめられていて、それぞれの人物の心情を掴みながら読むように心がけています。
小見出しがそもそもメタファーですから、
- 目に見えないものと同じくらい、目に見えるものが好きだ
- 床に落として割れたら、それは卵だ
- 高い強固な壁は人を無力にします
そして、物語の推移を読み取ることにすっかり夢中になっています。
少女の肖像画は完成するのでしょうか?
今日の午前中にかかってくる電話で、誰かがぼくを何かに誘う。それを断ってはならない。
いよいよ、最終巻を読み始めます。ドキドキしてきました!