降誕祭の夜

汝の敵を愛せよ

アンネの日記  A.フランク 皆藤幸蔵 訳

騎士団長殺しを読んでいたら第2次世界大戦前の血生臭い事件が時系列で主人公とその親友から語られる場面がありました。

  1. 1937年(昭和12年)7月7日 盧溝橋事件                                                                   北京の西南方向の盧溝橋で起きた日本軍と中国国民革命軍との衝突事件
  2. 1937年(昭和12年)12月 南京事件南京虐殺事件)                                             南京戦において日本軍が中華民国の首都南京を占領した際、中国軍の捕虜以外にも周辺地域の一般市民などに対して殺傷や暴行をおこなったとされる事件
  3. 1938年(昭和13年)3月12日 アンシュルス                                                                ナチスドイツによるオーストリアの併合。ナチスの言語。
  4. 1938年(昭和13年)11月9日夜〜10日未明 クリスタルナハト          ドイツの各地で発生した反ユダヤ主義暴動

アジアとヨーロッパで同じ様な国家による暴力的事件が引き起こしたエピソードがリアルに描かれていました。

 

この場面を読んで思い出したのが「アンネの日記」です。中学校3年生の時に国語の時間に教材として取り上げられ、内容にとても衝撃を受けました。

 

増補新訂版 アンネの日記 (文春文庫)

 

15歳という多感な時期、そして私たちと同じ世代の女の子がたどった悲しい運命。「キティ様」で始まる彼女の日記には、家族のことや思春期の女の子が思う異性のことなどがきめ細やかに描かれています。

しかし、彼女や家族には外に出るという自由はありません。ひっそりと暮らすことしかできないのです。衝撃でした。教科書には確か、彼女や家族のその後のことも概略で書かれていたと記憶しています。

中学3年の時、どうして、こんな理不尽な事が起きるのか、なぜ?その思いで購入した本です。彼女の日記は1944年8月1日(火)で終わっています。それから3日後隠れ家が見つかり収容所へいくことになります。そして、彼女は、姉の死から1ヶ月後、絶望の中でに静かに息を引き取ります。1945年3月はじめのある日。

 

私が買った本の訳者は『皆藤幸蔵』となっています。

第1刷が出版されてから5年後に買っています。計算するとやっぱり私は14歳です。

 

アンネは日記の中で「仕事生きている様な仕事をしたいのです」と語っています。私の娘が小学校の高学年の頃、アンネの日記の小学生でも読める様な本をプレゼントしました。その娘が、高校生の頃だった思いますが「この本貸して」と言って私が中学生の時に読んだ「アンネの日記」を持っていって熱心に読んでいました。

その、私の買った「アンネの日記」は、表カバーもなくなり、本はすっかり日に焼け赤茶けていますが、本棚にきちんと置いています。中学生の頃に自分の小遣いで買って読んだ本は愛着があります。

 

差別が戦争を生みます。彼女の日記が訴えているものを私たちは忘れてはなりません。