降誕祭の夜

汝の敵を愛せよ

夜想曲第13番 ハ短調 作品48-1

 

ショパンノクターンの中で一番好きな曲です。調べてみるとショパンが1841年に作曲して翌年に出版されたそうです。ショパンの円熟期の作品の一つでもあるとのことです。

標準版 ショパン ノクターン集

標準版 ショパン ノクターン集

 

 

Lento ハ短調

冒頭の主題の部分で、この曲に引き込まれます。聴いているときは孤独というよりは、どこか神秘的で、太陽が沈み暗闇が訪れる前の藍色がかった冬の空のイメージです。弾いている時は、右手と左手の掛け合いから、何か自分の気持ちを独白しているような感覚になる事もありました。

 

Poco piu lento  ハ長調 

中間部は、とても大らかで、アルペジオの部分がコラール風でとても素敵です。後半は三連符のユニゾンで、テンポも大きく揺れ、最後の部分につながります。アルペジオの部分が難しくて、拍になかなかうまく合わせることが出来なくて苦労しました。

三連符のところは華やかで装飾音符がうまくはまるととても気持ちがいいです。

 

Doppio movimento → 2倍の速さで! ハ短調 

そして、最後の部分です。とても劇的です。アシュケナージの演奏を聴いたときは本当に2倍の速さで正確に弾いているので、びっくりしました。ピリスの演奏も聞きました。彼女の演奏の最後の部分は、2倍までテンポは上げていない印象でしたが、それでも速い!どちらかと言うと聴いていて好みはピリスの方でした。

 音を取るだけでも大変なのに、右手と左手の重音の上に右手の4や5の指で主旋律を響かせることがなかなかできませんでした。最後のページのクライマックスのところは、さらに左手が三連符に右手で十六分音符を4個入れる部分が出てきて、本当に難しくて、大変でした。

十数年以上前にピアノを習っていたときに練習していた曲の一つです。

 

3年程前にピアノを再開したときに、中途半端で終わっていたツェルニー30番と自分のレパートリーと、その時に弾きたい曲か先生に勧めていただいた曲を大体2曲並行してレッスンで取り上げてもらっていました。

この曲は、曲の構成も難易度も私にとってかなり高いので、最後の方に見てもらおうと思っていた曲です。

そして、一昨年の秋頃にピアノ発表会のことをお話しされた時に「ノクターン13番でお願いします。以前に取り組んだことがあるんですけど、うまく弾けていないので。」と。

 

冒頭の部分から丁寧に教えていただきました。スラーやタイの音をきちんと繋ぐことやアルペジオの弾き方、ソフトペダルの入れ場所などなど。

でも、最後の部分は、なかなかメロディーが浮き出てこなくて、本番まで、頑張りましたが、やはり難しかったです。

 

発表会は、とても緊張しましたが、とても楽しかったです。自分なりに丁寧に最後まで弾くことと、この曲が好きで雰囲気を幾らかでも伝えることを意識しました。ミスタッチは当然ありましたし、最後の部分もテンポ通りではありませんが、できるだけ旋律を意識して弾くことを心がけました。なんとか最後まで弾き切る事ができました。


ショパン/ノクターン第13番 ハ短調 Op.48-1/演奏:和泉 真弓

この方の演奏、落ち着いていて、お気に入りです。

 

この時の発表会も社会人は少なく(私を入れて3名)、ぶっちぎりの最高齢でした(笑)。でも25歳で初めて弾いた発表会以上になんだか達成感がありました。

 

来年は何を弾くのかなぁ、と写真撮影の時にぼんやり考えていました。