2002年に購入して読んでます。確か週刊文春に連載になっていて、
購入した記憶があります。
岩手出身の新撰組隊士の生き様が、
なんとも言えなくてドラマも見ていました。
それがきっかけで購入したかな。
脱藩する前の吉村貫一郎の家族の描写、
20年以上前に読んだ本なのに、割と鮮明に思い出せました。
盛岡市内の描写も住んでいた街並みを思い出しながらで読んでいました。
吉村貫一郎が人を斬ってお金を得て家族に送金をすることを
悔いる場面では、彼の父が亡霊となって、
「恥じることはない」と励まします。
そして、我が子を思いながら切腹をするシーン。
そんな父の意思を受け継ぎ義に生きる息子の姿。
でも、一番涙を流したのは、本でした。
特に下巻はラストに向かって、ずっと涙流しながら
読んでいたような記憶があります。
『解説』では、義を強調していますが、父と息子の物語でもあるなと感じました。
久々にこの本を手に取り、『私』は、父から何を受け取り、
そして、我が子に何を伝えることができるのだろうか、
そんなことも思いました。
今、読みかけの本が終わったら再読しようと思います。
Amazon解説より(上巻)
旧幕府軍の敗退がほぼ決した鳥羽伏見の戦。大坂城からはすでに火の手が上がっていた。そんな夜更けに、満身創痍の侍、吉村貫一郎が北浜の南部藩蔵屋敷にたどり着いた。脱藩し、新選組隊士となった吉村に手を差し伸べるものはいない。旧友、大野次郎右衛門は冷酷に切腹を命じる―。壬生浪と呼ばれた新選組にあってただひとり「義」を貫いた吉村貫一郎の生涯。構想20年、著者初の時代小説
Amazon解説より(下巻)
吉村貫一郎が生涯かけて貫き通した「義」とはいったい何なのか。切腹を命じた大野次郎右衛門の真意とは…。感動の結末へと物語は進む。非業の死を遂げた男たちの祈りはかなえられるか。日本人の「義」を問う感動巨篇!
南部盛岡は日本一の美しい国でござんす。
西に岩手山がそびえ、東には早池峰。北には姫神山。
城下を流れる中津川は北上川に合わさって豊かな流れになり申す。
春には花が咲き乱れ、夏は緑、秋には紅葉。
冬ともなりゃあ、真綿のごとき雪こに、すっぽりとくるまれるのでござんす。
〜浅田次郎『壬生義士伝』下巻より P.82〜