降誕祭の夜

汝の敵を愛せよ

雪国  川端康成 著

国境の長いトンネルを抜けるとそこは雪国だった。

 

雪国 (新潮文庫)

と印象的な書き出しで始まる小説です。読もうと思ったきっかけは、中学生の時、受験の模擬試験の国語の読み取りの文に、この物語の冒頭部分が使われていたので、いつか読もうと思っていました。私が買った本の装丁は藍色に白い文字で「雪国」、薄い水色で「川端康成」と横書きのものです。本文の文字は、今、見るとかなり細かいです。

 

購入した年月(83刷)から推察すると読んだのは多分、高校2年の頃のようです。芸者が出てきて内容は色恋が中心だったような気がします。高校生の私が、読むのは少し早すぎたかもしれません。

今、手にとてみるとカバーはついていますが、すっかり赤茶けています。再読したいのですが、今、他の物語を読んでいるので、いつのことになるやら。

 

裏表紙より

親譲りの財産で、無為徒食の生活をしている島村は、雪深い温泉町で芸者駒子と出会う。島村は許婚者の療養費を作るために芸者になったという、駒子の一途な生き方に惹かれながらもゆきずりの愛以上のつながりをもとうとしない・・・・・・。冷たいほどにすんだ島村の心の鏡に映される駒子の激しい情熱を、悲しくも美しく描く。川端文学の美質が完全な開花を見せた不朽の名作である。                                  

 

最後は冬の中の真っ赤に燃える火事の場面で終わったと記憶しています。

雪の白と火事の赤。対照的です。

 


川端康成未公開カラー映像!雪国でノーベル文学賞をとった川端康成が生前CMにでたときの写真!?貴重コマーシャル

川端康成の『年譜』が巻末にありました。『雪国』は昭和12年。氏が38歳の時に出版されたようです。昭和43年、69歳の時にノーベル賞を受賞。その3年後の昭和47年にガス自殺。

享年72。

 

いったい、彼の心の中にはどんな闇があったのでしょうか。