降誕祭の夜

汝の敵を愛せよ

アンナ・カレーニナ  トルストイ 木村 浩訳

購入したのは、なんと平成元年。

新しい職場に勤め始めた年です。

 

購入した動機すら覚えていません。全3巻ですが、

最初の20ページくらい読んで挫折しました。

 

読み終えたのは、5年ほど前です。無理をしないでゆっくり読み進めました。

一人一人の人間描写、感情の細やかな動き、周囲の情景や

当時のロシアの社会情勢など丁寧に描かれていて、本当に大作です。

 

2巻目に入ったら、割と物語の世界に没頭して読み進めることができました。

アンナ・カレーニナ(上) (新潮文庫)

裏表紙より

モスクワ駅へ母を迎えに行った青年士官ヴロンスキーは、母と同じ車室に乗り合せていたアンナ・カレーニナの美貌に心を奪われる。アンナも又、俗物官僚の典型である夫カレーニンとの愛のない日々の倦怠から、ヴロンスキーの若々しい情熱に強く惹かれ、二人は激しい恋におちてゆく。文豪トルストイが、そのモラル、宗教、哲学のすべてを注ぎ込んで完成した不朽の名作の第一部。

 

アンナ・カレーニナ(中) (新潮文庫)

裏表紙より

愛情も人間性も理解せず、世間体を重んじる冷徹な夫カレーニンの黙認的態度に苦しむアンナは、虚偽と欺瞞にこりかたまった社交界を捨て、ひとり息子セリョージャへの愛にさいなまれながらも、ヴロンスキーとの破滅的な恋に身を投じる。一方、ヴロンスキーがアンナを愛していることを知った失意のキチイは、理想主義的地主貴族リョーヴィンの妻となり、祝福された生活をおくる。

 

アンナ・カレーニナ(下) (新潮文庫)

裏表紙より

社交界も、家庭も、愛しい息子も、みずからの心の平安さえもなげうって、ヴロンスキーのもとへ走ったアンナ。しかし、嫉妬と罪の意識とに耐えられず、矜り高いアンナはついに過激な行動に打って出るが……。ひとりの女性の誠実、率直な愛が破局に向ってゆく過程をたどり、新しい宗教意識による新社会建設の理想を展開して、『戦争と平和』と両翼をなす、文豪トルストイ不滅の名作。

 

私は、不器用だけど、一途な愛を貫くリョーヴィンに

共感しながら読み進めました。

破滅的な境遇にどんどん身を委ねていくアンナの心情描写にも圧倒されます。

アンナが壊れていく様子が痛々しかったです。

 

アンナの最後のシーンは有名です。

彼女が追い求め求めていたものを、

私は、うまく理解することができませんでした。

そして、アンナ自身も分からなくなってしまったような気がします。

 


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映画化にもなってたみたいなので、見てみたいです。

違った視点から何か感じるかもしれません。

第1回東北希望の襷マラソン 北上大会  6月26日(土)

ジムに行ったら、このマラソン大会の要項がありました。

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「うーん」しばらく、迷いましたが、

コロナ対策もするとのことなので申し込んでみました。

毎日のジョギングは続いているのですが、いつものんびりジョグなので、

マンネリしてきたなぁ、と思ったからです。

大会が中止になったらそれはそれで仕方がありません。

 

せっかく申し込んだので、先週から、週末の練習メニューを変えました。

土曜日から10分ジョグをして、5キロと3キロのタイムトライアルをしました。

先週の日曜日は20キロを走りました。

 

嬉しかったのはタイムトライアルの記録が、

2019年の大会を目指し練習をしていた時よりも

ペースが速くなっていたことです。多分、ジムの効果だと思います。

5キロも3キロもラスト1キロでペースを上げて

心肺にも負荷をかけて走れました

(あ、走るの遅いですから・・・あくまでも私のレベルで、です)。

 

昨日も同じメニューで走りましたが、先週よりもよい記録で走れました。

今日のジョギングは、15キロにしました。

日中、ピアノをたくさん弾きたかったので。

 

来週も頑張ろう。

 

岩手でもコロナの感染者が毎日のように報道されていますので、

主催者も開催についての判断は難しいでしょうね。

健康と命が何よりも大切です。

 

55.5km 

ゴールデンウィークの5日間に走った距離です。

頑張って走ったという意識はないですが、数字の並びが縁起がいいので。

 

555ですからね。それに今日は5月5日ですし。

 

連休中は、好きなことだけをして過ごしましたので、

明日からの仕事は億劫ですが、この数字の並びを見たら

なんだか楽しくなりました。

 

明日から、また頑張ろう!

仕事も趣味も!

 

すっかり日記です。よい夢が見れそうです。

待合室

先日の記事で『待合室』のことをいつか、と書いたのですが、

今朝、ジョギングしながら、「前に書いたことがあったような・・・」

と、思い出して過去の記事を見たら、

やはり、少しだけ書いていた記事がありました。

ganju39.hatenablog.com

 

待合室 愛蔵版 [DVD]

 

  Amazon解説より

富司純子寺島しのぶが初の母子共演を果たした実話を元にした感動ドラマ。岩手県の山奥にある小繋駅の待合室に置かれた1冊のノート。訪れた旅人たちが胸に秘めた想いを綴るそのノートに、心の籠もった返事を書き続けるひとりの女性の半生を描く。

 

レンタルショップに行ってもなかったので、

Amazonで中古のものを購入して見ました。

 

 人は、悲しいことや辛いことがあると北へ向かうんだな、ということと、

そのノートが実在して今もあることも、心に響きました。

夫婦の姿やノートに返事を書き続ける女性の姿もよかったです。

 

映画は、夫婦の姿やノートに返事を書き続ける女性の姿を中心に

静かに淡々と進んでいきます。

でも、それがなんかいいなぁ、と思いました。

俳優さんたちの演技もいい意味で抑揚を抑えていたと思います。

 

その辺りは、見ていて物足りなく感じる方もいるかもしれませんが、

私は、その分、俳優さんの表情、舞台になった風景も知っている場所なので

味わいながら見ることができてよかったです。

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小繫駅

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駅舎の中にあります
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この二つを見て実話であることを実感!

 

国道4号線東北本線(現在は IGR)が並行してる場所なので、

車で北上すると、『小繫駅』すぐ見つけることができます。

 

命のノート、ありました。人によって辛いことは違いますが、

その辛さを吐き出すことと、受け止める場所があるということは

とても大切なことなのだと思います。

 

私も、そうやってたくさんの方に支えてもらって生きています。

花巻 Hanamaki  〜高村光太郎&宮沢賢治〜

 今年のGWは天候が落ち着かなくて天気予報は、

全く当てにできませんでした。

昨日は曇りの予報だったのに、雨の中を走りました・・・。

 

でも、今日は晴れる予報でしたので、

ジョグの後、お昼を挟んで4〜5時間、出かけました。

最初は、花巻市にある温泉のどこかに行こうと思ったのですが、

やはりコロナが心配でしたので、予定変更!

 

 

高村光太郎山荘&記念館へ

20年以上前に行って本当に久しぶりに行きました。

今日は天気も良くて山荘の周りの緑もとても眩しかったです。

山荘はすっかり覆われているのですが、

高村光太郎が東京から疎開してきて、

山間の山荘でひっそりと暮らしていることとか、宮沢清六(賢治の弟)や

地域の方との繋がりが20年以上前に見学した時以上に実感できました。

『厠』にある光太郎が彫った『光』という文字が後ろ側から見ると

輝いていて、とても印象的でした。

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緑が眩しいです。花も綺麗に!

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じっくり読みました!

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この中に高村山荘があります。金色堂覆堂のようです。
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光太郎が掘ったという厠の『光』という文字です!

そして、記念館へ。

こちらはすっかり綺麗に改装なっていて、びっくりです。

映像資料も豊富で、最初に『道程』の原点版という朗読を聴きました。

びっくりしました。7分ちょっとの長い詩で、

『道程』の行間に隠された光太郎の思いを知ることができました。

とても厳しく、心に響きました。

次に聴いた『レモン哀歌』からは、

光太郎の智恵子に対する愛情を感じました。

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高村光太郎記念館全景です!


今回、この場所を訪れて心に残ったことは3点です。

1 父性

  『道程』の朗読からも感じたのですが、母性よりも厳しい父性です。

  光太郎が彫刻家としての『高村早雲』を尊敬していたこと、

  また父も、息子である光太郎の才能を認めていたこと。

  父と息子の理想の一つの形であると感じました。

2 千恵子への愛情 

  『レモン哀歌』の朗読を聴き、年表をじっくりと見て、

   光太郎の智恵子への愛情の深さと細やかさを実感しました。

   光太郎の一途な思い。

3 先の大戦への悔恨

  大戦中に軍部に迎合し、翼賛的な詩をたくさん書いたことの反省から

  戦後は、自分のライフワークでもある彫刻をしなかったということです。

  それが彼の戦争に対する責任の取り方であることも、再確認できました。

  でも、彼の彫刻刀は、とても大切に砥がれていました。

  

彫刻家でもあり、詩人でもある高村光太郎の人生と宮沢賢治との

繋がりも知ることができました。

 

宮沢賢治記念館へ

高村山荘から宮沢賢治記念館へはちょうど花巻市の西端から東端まで

行く感じなので昼食はコンビニで簡単に済ませました。

一人で動くよさです。機動力発揮!?

 

宮沢賢治イーハトーブ館や宮沢賢治童話村もあるのですが、

今回は宮沢賢治の業績をしっかりと学びたかったので、

記念館だけ見学しました。

こちらも家族で見た時は10分いるかいないかでしたが

今回は、1回館内をざっと眺めて、

2回目は、パネルを全部じっくりと読みました。

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記念館入り口です!
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注文の多い料理店です!ようこそ山猫軒へ!

37歳という若さで亡くなった宮沢賢治の残したものの

素晴らしを改めて感じ取りました。彼の才能は本当に多岐に渡ります。

人間的にも謙虚で慎み深いです。

 

前回もあったはずなのですが、直筆の原稿がたくさん展示されていました。

彼の童話はほとんど読んでいますが『春と修羅』は、

きちんと読んでいないので購入して読もうかなぁ、と思いました。

 

賢治の一家は、展示されていた家系図を見ると割と長命なのですが、

彼と妹のトシは早世です。

宮沢賢治のチェロ、そしてトシのヴァイオリンも

透明なアクリル板に囲まれて仲良く並んで展示されていました。

 

『永訣の朝』の直筆の原稿(コピーだと思いますが)も展示されていました。

そうでなくても悲しい詩なのに直筆だと、

賢治の悲しみがそのまま伝わってくるようで、

涙がこぼれそうになりました。

 

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見学を終えて。青空が広がり気持ちよかったです!

青空が広がり、岩手の緑も少しずつ濃くなってきています。

そんなことも感じた1日になりました。

 

明日も楽しみです!

星屑の町    

今日は、ちょっと遅めに起きて7時頃から走り始めました。

雨が降っていましたが、そのうち上がったので、

いつもの日曜日のように15キロ走りました。

 

そしてピアノの練習。

『鐘』『ワルツ14番』は、いつも通しているだけなので、

苦手なところを取り出して練習しました。

しっかりした音を出すために、ゆっくり丁寧に。

久しぶりに『月の光』も練習しました。

一昨日、久しぶりに弾いたらすっかり忘れていたので、

昨日と今日で6ページのうちの4ページまで復習しました。

明日は全部通して弾きたいな。

『バラード3番』は、今日は、2回通しました。

今日の取り出し練習は最後のページです。

10日くらいかけて、少しずつ通しと取り出し練習をしたので、

前よりは曲らしくなったかな?

 

今日の夕食は、私が用意をしました。

カレーと野菜いっぱいのサラダを食べたかったので。

飲みながらですが、早い夕食だったので、夜、時間がありました。

 

 

なんか、映画見たいなぁ。

アマゾンプライムであまり重たくない映画を見たくて

『星屑の町』を選びました。

 

星屑の町 [DVD]

【解説】
1994年から25年に亘って愛され続けた舞台「星屑の町」シリーズ(全7作)が、ヒロインにのんを迎えて待望の映画化!
主演は、舞台と同じ個性溢れるキャスト陣が顔を揃え、絶妙な掛け合いで笑いと涙を誘う。ヒロイン・のんは、田舎娘が大輪の花を咲かせるまでの変化を見事に演じ、透明感溢れる歌声も披露。
誰もが耳にしたことのある昭和歌謡の名曲が次々登場し、令和の世に響き渡る! 帰り道、思わず笑顔で歌いたくなる、そんな映画が誕生しました。

東北が舞台でのん(能年玲奈)が出演しているということで、

見たらやはり舞台は岩手でした。

見て良かったです。のんはすっかり岩手県民のように方言を

駆使して楽しく演じていましたし、歌も上手でメイクや衣装もすごく

似合っていて良かったです。

これからも活躍してほしい女優さんです。

 

ハローナイツを含めおじさん達の演技と歌も良かったです。

歌もセリフの掛け合いもテンポが良くて、笑いながら見ていました。

 

歌の力ってすごいなぁって思いました。

耳にしたことがある曲が多かったです。多分その歌が流行ったのは、

幼い頃なので朧げな記憶です。でも、なんだかジーンとして見ていました。

 


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それから、岩手県内、あちこち転勤して歩いたので、

見たことのある風景や街並みがたくさん映っていました。

沿岸地域の風景。山間の風景。

私が、生きてきた場所です。

 

映画のシーンで使われていた『小鳥谷』という駅の一つ手前の

『小繫駅』(盛岡から北へ向かって→)は『待合室』という映画の

舞台になった駅だったと記憶しています。

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この映画のこともいつか・・・・。

そんなこんなで、見て良かったです。

 

映画の紹介というより、日記のようになってしまいました・・・。

君たちはどう生きるか    吉野源三郎著

『2018年一番読まれた本』

ということで、いつか読みたいなぁ、と思いながら

なかなか読めないでいた本です。

 

『推し、燃ゆ』と一緒に購入した本です。読みやすかったのですが、

仕事が忙しかったことと、味わい深い内容であったこともあり、

じっくり読み進めました。

特に後半は、色々と考えさせられる内容でした。

 

主人公のコペルくんと同じ年齢の時に読んでも、

コペル君のように純粋な感受性で

受け止めることはできなかったかもしれませんが、

読んでいればよかったなぁ、と思える内容でした。

 

50代も後半になった私が読んでも

たくさんのことを教えられました。

 

最後の方にコペル君がノートに書きます。

 僕は、全ての人がおたがいによい友だちであるような、そういう世の中が来なければいけないと思います。人類は今まで進歩してきたのですから、きっと今にそういう世の中に行きつくだろうと思います。

 そして僕は、それに役立つような人間になりたいと思います。

 

世の中、コロナだけでなく、世界に目を向けると不穏な空気が漂っています。

世界情勢が間違った方向にいかないことを願っています。 

 

さて、本に戻ります。

コペル君の叔父さん、コペル君のお母さん、

コペル君の友達、みんな魅力的です。

 

 

君たちはどう生きるか

amazon解説より

ヒューマニズムに根差した良い本は、
時代を超えて人々の心をつかむのです」
(ジャーナリスト/池上彰さん)
1937年に出版されて以来、数多くの人に読み継がれてきた、
吉野源三郎さんの名作「君たちはどう生きるか」。
今回前書きを書いてくださった池上さんも、
小学生時代に、父親から渡された当初は
読もうとしなかったのですが、気がつくと夢中になって
どんどん読み進んでいたと言います。
人間としてどう生きればいいのか、楽しく読んでいるうちに
自然と考えるように書かれた本書は、子供はもちろん
多くの大人たちにも共感をもって迎えられてきました。
勇気、いじめ、貧困、格差、教養、、、
昔も今も変わらない人生のテーマに真摯に向き合う
主人公のコペル君と叔父さん。
二人の姿勢には、数多くの生き方の指針となる言葉が示されています。
活字も大きくなった読みやすい新装版で、
ぜひ、色褪せない名作の面白さを堪能してください。
《全国学図書館協議会選定図書》

 

君たちはどう生きるか (岩波文庫)

amazon解説より

著者がコペル君の精神的成長に託して語り伝えようとしたものは何か。それは、人生いかに生くべきかと問うとき、常にその問いが社会科学的認識とは何かという問題と切り離すことなく問われねばならぬ、というメッセージであった。著者の没後追悼の意をこめて書かれた「『君たちはどう生きるか』をめぐる回想」(丸山真男)を付載

丸山真男の回想があるというこちらも読んでみたくなりました。

 

1937年。戦前に書かれた本ですが、内容は、現代にも通じます。著者の吉野源三郎についても、調べてみたくなりました。